組織概要

本センターは、大学病院長の下に設置され、計9部門からなります。医師主導および企業主導治験の実施のみならず、基礎研究・非臨床試験段階の研究シーズの迅速な臨床試験への移行を支援します。また、センター運営委員会とシーズ評価委員会等を設け、各部門が協調し切れ目のない研究開発支援を可能とする体制となっています。

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【部門等】

トランスレーショナルリサーチ部門

トランスレーショナルリサーチ部門では、学内外のアカデミアから優秀なシーズを発掘・育成し、迅速かつ確実な臨床研究への橋渡し、企業への導出、スタートアップ起業等につなげるため、(1)研究開発・知的財産戦略立案支援、共同研究契約支援、(2)PMDA対応を含む非臨床試験全般に関するコンサルティング業務、(3)医療系スタートアップ起業・育成支援、新技術創出支援、(4)非臨床試験・医師主導治験実施のためのプロジェクトマネジメント業務を行っています。

再生医療等支援部門

再生医療等支援部門では、再生医療等による医療を迅速に患者様に届けられるよう、再生医療等を提供するために必要となる基礎研究から臨床研究・治験までの研究開発を、学内だけでなく他大学や学外の医療機関も含めて支援します。

臨床研究支援部門

臨床研究支援部門は、新たな臨床的エビデンスの創出を目指す臨床研究と、薬事承認取得を目的とする治験の別を問わず、計画立案から成果を得るまでのあらゆる段階において、質の高いプロジェクトの効率的な実施を、豊富な経験に基づいて多角的に支援します。薬事、スタディマネジメント、データマネジメント、モニタリングが強力にサポートします。

ネットワーク支援部門

ネットワーク支援部門では、より効果的・効率的に橋渡し研究・臨床研究・治験を推進できるよう、他の拠点病院や関連医療機関との人的交流を促進し、密な連携の下、適応症例等の情報を適切に収集・共有することが可能な情報インフラの構築を支援します。

生物統計部門

臨床試験は倫理性と科学性の両輪をもちますが、生物統計部門は主に科学性に責任をもちます。医師主導治験には研究デザイン作成に生物統計家として参画し、その他の臨床研究には、研究者への統計相談、統計解析支援、論文査読対応などを行います。生物統計教育を通じて、人材育成にも積極的に寄与します。

臨床研究実施部門

臨床研究実施部門では、アカデミアや企業で開発された新薬や新しい医療機器の治験を万全の体制でサポートします。当部門はCRC(Clinical Research Coordinator)のほか、臨床検査や試験薬管理など5つの専門性の高いユニットから構成されています。これらの専門ユニットが連携することで、ARO(Academic Research Organization)としての豊富な経験と専門知識を最大限に活かし、被験者の安全性を最優先に配慮したうえで、First in Human試験から第Ⅳ相試験まで、信頼性が担保された質の高い臨床研究を実施する体制を整えています。

生体試料研究支援部門

生体試料研究支援部門では、主に病理組織などの患者検体の前向きな採取(オンデマンド型バンキング)を伴う臨床研究の実施に際して、その研究目的に合致した検体採取方法や適切な採取量、採取後の保管や管理方法などについて、病理専門医などのエキスパートが立案段階から支援します。また、こうした前向きなオンデマンド型の検体採取に加えて、コホート型のバンキングについても技術的な支援をします。ヒト検体の適切かつ効率的な活用支援を通して、臨床研究の発展を目指します。

教育研修部門

教育研修部門では、新たな臨床的エビデンスの創出しうる臨床研究の計画、実施、解析に必要な基本的理論・知識・方法・実践スキルの習熟を目的とした講習会やセミナー等の企画・実施とともに、若手研究者(大学院生)の実践的教育(自らの臨床における疑問に基づいた臨床研究を計画し、研究プロトコールの作成、研究の運営・実施、かつ必要なコンサルテーションができる)にも注力しています。これら人材育成を介して臨床研究の浸透・推進を図っています。

広報部門

広報部門では、臨床研究推進センターの情報を社会に発信する機能を担当しています。治験の内容などをご紹介するだけではなく、お問い合わせやご意見の窓口も兼ね、ウェブサイトを中心に最新情報をお伝えしています。ご覧になられるお立場(患者さん、医師、研究者など)に対応した情報を、わかりやすくご提供することを心がけています。

PMチーム

PMチームは、トランスレーショナルリサーチ部門、再生医療等支援部門、臨床研究支援部門に横断的にまたがっており、医薬品、医療機器、再生医療等製品、体外診断用医薬品等の実用化を促進するために、開発戦略立案、非臨床試験計画、臨床試験計画、規制当局対応、研究費獲得、企業間調整などの一連の工程を、研究者と協力し、また開発を支援する側のメンバーをとりまとめながら、計画的かつ効率的なプロジェクトの運営管理を行います。

【委員会】

運営委員会

臨床研究推進センターが、慶應義塾大学病院の理念および臨床研究実施方針に基づく臨床研究を積極的に推進することを目的として、運営委員会は以下の事項を審議しています。

  1. 臨床研究の推進に関する事項
  2. 推進センターの運営の基本方針
  3. 推進センターの業務計画の策定、活動の進捗管理および評価
  4. 推進センターの部門長ならびにセンター員の人事に関する事項
  5. 推進センターの予算および決算に関する事項
  6. 推進センターが取り扱う契約に関する事項
  7. 多施設ネットワークの構築、運営
  8. 推進センターに関係する公的事業(臨床研究中核病院関連、AMED関連事業等)
    に関する業務
  9. 臨床試験病棟の運営に関する事項
  10. 推進センターのコンプライアンスおよびリスクマネジメントに関する事項
  11. その他推進センターの運営に係わる事項

シーズ評価委員会

シーズ評価委員会は、橋渡し研究の適切な推進を目的とし、以下の事項を審議しています。

  1. 学内外の医薬品・医療機器医学系先端研究シーズの評価(選定)、開発戦略、マネジメント支援
  2. 支援中の研究シーズの進捗状況の確認・評価(支援継続、ステージアップ、支援中止、支援終了
  3. 医学部および研究連携推進本部との連携調整事項
  4. その他必要と認める事項

再生医療等推進委員会

再生医療等推進委員会は、慶應義塾大学病院が再生医療等研究の拠点として、倫理性及び科学性が十分に担保され得る質の高い再生医療等研究実施の推進を目的とし、以下の業務を実施しています。

  1. 慶應義塾大学病院内での再生医療等関連情報の共有
  2. 再生医療等臨床研究受入体制の整備
  3. シーズ評価委員会のシーズ採択可否に関する助言
  4. 再生医療等臨床研究の実施及び支援体制の整備
  5. その他、再生医療等臨床研究推進に関する必要な業務