用語の説明

インフォームド・コンセント

患者さんにご協力をお願いしたい臨床研究について、その目的や実施内容、予想される患者さんへの利益と不利益などの重要事項を説明し、全ての質問にお 答えした後に、患者さんご本人がよく理解し納得された上で、ご自身の自由な意志に基づいて研究参加に同意していただくことを、「インフォームド・コンセント(Informed consent)」(十分な説明を受けた上の同意)と言います。

同意撤回の自由

患者さんが臨床研究への参加に一度同意された後でも、何らかの事情で参加を取りやめたい場合には、試験開始の前か後かを問わず、また患者さんご本人に 何らの不利益もなく、いつでも同意を撤回して研究への参加を中止できる、という意味です。これは全ての臨床研究で守られる重要な原則です。

無作為割り付け

臨床試験は病気を予防・診断・治療する複数の方法について、その優劣を比較することを目的として行われます。従って、臨床試験に参加される患者さんは、それら複数の方法のうちいずれかを経験していただくことになります。
「無作為割り付け」とは、それらのどの方法を経験していただくかを決める手段として、担当医や患者さんの判断ではなく、公正中立な第3者による、特定の意図によらない(無作為な)方法によって決めることをいいます。「無作為割り付け」は、臨床試験の科学性を保つために、つまり研究の成果を広く一般の医療に生かすことのできる正しい医学的知識につなげるために、とても大切な方法です。

盲検化

「盲検化」(「マスク化」ということもあります)とは、臨床試験によって複数の医療の方法を比較する際に、それぞれの方法が何であるのかを意図的に区別 できないようにすることをいいます。実際上行うことが難しい場合を除き、可能な場合にはなるべく「盲検化」を行うことが、臨床試験の科学的価値を高める ために大変有効な工夫であるとされています。

プラセボ

「プラセボ」とは、みかけや重さ、包装などが新薬候補と全く同じで、しかし薬としての成分を含まないものをいいます。有効な治療薬がまだ存在しない病気に対する新薬候補の治療効果と副作用を確かめる臨床試験で比較対象として用います。