生物統計部門

生物統計部門は主に、(1) 医師主導治験・特定臨床研究等の臨床試験に生物統計家として参画(2) 臨床医学・基礎医学研究者に対する生物統計支援(統計相談、統計解析、結果の解釈、医療情報をはじめとするビッグデータの取り扱い等)(3) 医師の卒前卒後の生物統計教育、並びに生物統計家育成、(4) 生物統計学の方法論開発を行っています。特に医学研究では「研究デザイン立案の段階」から研究目的の設定サンプルサイズ設定をはじめとする生物統計学的な検討を十分に行うことが成功の秘訣です。試験計画の骨子作成後も統計解析計画の作成、データの取り方・まとめ方、論文投稿後の査読者とのやり取りなど様々な場面で研究者への支援を行っています。また、近年の生物統計学の発展は目覚ましく、最新の統計手法の理解と応用も重要であり、既存の手法では対応できない場合には新たな統計手法を開発し、妥当な結論を得るためのデザインや統計解析計画を立案しています。

生物統計ユニット

役割

医学研究のデザイン作成、データ解析、結果の解釈、論文投稿等、研究におけるあらゆるプロセスで生物統計学の知識が必要となります。生物統計ユニットでは、研究ごとに専門家が最適な生物統計学的支援を行い、国際水準の臨床医学、基礎医学、社会医学研究の推進に貢献します。また、研究者を対象とした生物統計学の教育及び生物統計家育成にも注力し、最新の生物統計学の方法論の開発も行っています。

メンバー

部門長 教授 佐藤 泰憲(日本計量生物学会試験統計家認定・責任試験統計家)
特任准教授 長島 健悟
特任准教授 竹村 亮(日本計量生物学会試験統計家認定・実務試験統計家)
特 任 助 教 宮﨑 直己(日本計量生物学会試験統計家認定・実務試験統計家)
特 任 助 教 木村 流星(日本計量生物学会試験統計家認定・実務試験統計家)
特 任 助 教 石田 典之
特 任 助 教 近藤 雅大
特 任 助 教 浮田 翔子
特 任 助 教 十島 玄汰
研 究 員 尾崎 達郎
客 員 教 授 佐藤 大作
客 員 教 授 菅波 秀規(日本計量生物学会試験統計家認定・責任試験統計家)
客 員 教 授 林 邦彦

提供可能なサービス

  • 臨床研究のデザインと解析
    試験デザイン:試験の目的に合わせた最適なデザインを提案します。
    ・データ管理:高品質なデータ収集と管理を行い、試験の信頼性を確保します。
    ・統計解析:もっとも適切な統計手法を用いて、試験結果の解析を行います。
    ・生物統計学の方法論開発:必要な場合には、より適切な解析方法を開発し、より正確なエビデンスを提供できるようにします。

  • 統計教育とトレーニング
    セミナー・ワークショップ:定期的にセミナーやワークショップを開催し、最新の統計手法やツールを紹介します。
    On the Job Training:個別のニーズに応じたトレーニングプログラムを提供します。
  • 生物統計コンサルティング
    プロトコールのレビュー:研究計画書のレビューを行い、統計的妥当性を確認します。
    ・データ解析のサポート:複雑なデータ解析に対して専門的なアドバイスを提供します。
    ・投稿論文の査読サポート:論文の統計的妥当性、データの正確性、解析手法の適切性を査読前にチェックし、フィードバックを提供します。また、査読者からのコメントに対する対応策を提案し、修正原稿の作成をサポートします。

統計相談

統計相談をご希望の方は、以下のフォームからお申込みください。質の高い研究結果を得るためには、研究デザイン(試験の実施計画書)作成時の早期の段階から専門家との生物統計学的な検討が重要です。研究立案時からご相談いただくことで、その後の結果の解釈・論文作成が容易になり、研究の質が向上するようなご提案ができる可能性があります。主に以下の内容のご相談を対象としております。

  • 統計相談(解析計画の作成、症例数の設計、その他一般)
  • データの統計解析
  • 医療情報ビッグデータのデータマネジメント・解析
  • 論文作成支援

※大学院生の方は、事前に指導教員の許可を得てからご相談ください。

⇒ 統計相談の申込みはこちら

統計相談の支援対象

主として学内の方(慶應義塾大学医学部及び慶應義塾大学病院に所属の方)を対象に支援を行っております。学外の方のご相談については、別途費用を算定し対応させていただきます。

代表的な研究プロジェクト

      • ゲノム解析:がんや遺伝疾患の原因解明を目的とした遺伝情報の解析により、個別化医療の実現に貢献しています。
        ・膵がん患者のゲノムデータを解析し、新たな治療ターゲットを特定。

      • 臨床予測モデル:患者の予後や治療効果を予測するモデルを開発し、医療現場での意思決定を支援しています。
        ・COVID-19ワクチンの抗体価予測モデルとアプリの開発。

      • 薬剤治療パターン解析:レセプトをベースとした医療情報から、特定の疾患における薬剤の投与パターンを抽出し、より有効な投与モデルの検討のエビデンスを提供しています。
        ・頭痛患者における予防投与に関する処方パターンの解析。

      • 近年の統計手法の実態調査研究:最新の統計手法を把握し、最も適切な統計手法を選択するために、主要な医学生物学雑誌における統計手法の利用実態の調査研究を行っています。
        New England Journal of Medicine 誌で使用されてきた統計手法の経時的変化の調査研究。

      • 生物統計学の方法論開発:既存の手法では妥当な解析を行うことができない場合に、より正確なエビデンスを提供できる新たな統計手法を開発しています。
        ・代替エンドポイントの妥当性評価指標の開発。
        ・メタアナリシスにおける分布誤特定に頑健で高精度な信頼区間と予測区間の開発。
        ・レアイベントな生存時間データに対する妥当な解析手法の開発。
        ・生存時間アウトカムの単群試験のサンプルサイズ設計手法の開発。

1. 医学研究支援(主に臨床試験の統計解析業務)の実績

複数の臨床試験/臨床研究の生物統計家・統計解析を受託しています。また、スタートアップ支援も積極的に行っています(医師主導治験:3件/年、臨床研究:200件/年)。

2. 研究実績

<学術論文> こちらのリンクをご覧ください。

3. 統計教育

医学部・医学研究科の講義を担当しています。

(1) 大学院医学研究科講義

  授業科目名:医学統計学

  授業科目名:生物統計学特論

  授業科目名:生物統計学演習

  授業科目名:生物統計学実習

(2) 医学部講義

  授業科目名:医学統計・医療情報

  授業科目名:公衆衛生学(実習を担当)

  授業科目名:自主学習(第3学年

4. 統計セミナー

詳細は臨床研究推進センター各種講習会のお申し込みページに掲載します。

連絡先

・住所:東京都新宿区信濃町35 慶應義塾大学病院
・Mail :biostat@ctr.hosp.keio.ac.jp

関連リンク

日本計量生物学会

アメリカ統計学会

国際計量生物学会

慶應義塾大学医学部 衛生学公衆衛生学教室

Department of Biostatistics Harvard TH Chan School of Public Health

研究へのご協力のお願い

現在、該当する研究はありません。