生物統計部門
生物統計部門は主に、(1)医師主導治験を含む臨床試験の生物統計家として参画、(2)医学研究者に対する生物統計支援(統計相談やデータ解析)、(3)医学研究者への卒前卒後の生物統計教育を行っています。特に医学研究では、「研究デザイン作成の段階」から研究目的の設定、サンプルサイズ設定をはじめとする生物統計学的な検討を十分に行うことが成功の秘訣です。試験計画の骨子作成後も、統計解析計画の作成、論文投稿後の査読者とのやり取りなど、様々な場面で研究者への支援を行っております。
生物統計ユニット
役割
医学研究のデザイン作成、データ解析、結果の解釈、論文投稿等、研究におけるあらゆるプロセスで生物統計学の知識が必要となります。生物統計ユニットでは、研究ごとに専門家が最適な生物統計学的支援を行い、国際水準の臨床研究の推進に貢献します。また、研究者を対象とした生物統計学の教育にも注力しています。
提供可能なサービス
- 臨床研究における生物統計相談(実績:累計950件以上)
- 医師主導治験および臨床研究の生物統計家業務(計画作成、統計解析、論文作成支援等)
- 生物統計セミナーの講師
支援内容
医学研究は、「研究デザイン作成」 → 「実施」 → 「データ解析/結果の解釈」 → 「論文作成」 というプロセスをとりますが、いずれのプロセスにおいても生物統計学 (biostatistics) の知識が必要になります。特に、質の高い研究結果を得るためには、研究デザイン (= 試験の実施計画書) 作成時の早期の段階から専門家との生物統計学的な検討が重要です。それにより、その後の結果の解釈・論文作成が容易になります。そこで、当部門では医学研究者に対する次の支援を実施しております。
- 統計相談 (解析計画の作成、症例数の設計、その他一般)
- データの統計解析
- 論文作成支援
⇒ 統計コンサルテーションの申込みはこちら。
支援対象
主として学内の方(慶應義塾大学医学部及び慶應義塾大学病院に所属の方)を対象に支援を行っております。学外の方の御相談については、別途費用を算定し応需いたします。
メンバー
特任准教授 竹村 亮(日本計量生物学会試験統計家認定・実務試験統計家)
特 任 助 教 宮﨑 直己(日本計量生物学会試験統計家認定・実務試験統計家)
特 任 助 教 木村 流星(日本計量生物学会試験統計家認定・実務試験統計家)
特 任 助 教 石田 典之
特 任 助 教 近藤 雅大
研 究 員 岩﨑 俊樹
研 究 員 比留間 岳
研 究 員 浮田 翔子
研 究 員 十島 玄汰
客 員 教 授 佐藤 大作
客 員 教 授 菅波 秀規(日本計量生物学会試験統計家認定・責任試験統計家)
1. 医学研究支援の実績
(1)統計相談(累計977案件:2010年4月~2016年12月末 (6.5年間))
教室 |
案件数 |
内科学教室 |
220 |
外科学教室 |
119 |
眼科学教室 |
96 |
放射線科学教室 |
86 |
リハビリテーション医学教室 |
55 |
精神・神経科学教室 |
64 |
産婦人科学教室 |
46 |
その他 |
335 |
合計 |
1021 |
(2)臨床試験の統計解析業務
Academic Research Organisation(ARO)の生物統計部門として、複数の臨床試験/臨床研究の生物統計家・統計解析を受託しています(医師主導治験:10試験、臨床研究:多数)。
2. 研究実績
<学術論文> こちらのリンクをご覧ください。
3. 統計教育
次の医学研究科及び医学部の講義を担当しています。
(1) 大学院医学研究科講義(4月)
授業科目名:医学統計学(講義8回、実習8回)
(2) 医学部講義(10月)
授業科目名:医学統計・医療情報(応用統計)(第3学年、講義8回、実習7回)
授業科目名:公衆衛生学(第4学年、実習を数班担当)
授業科目名:自主学習(第4学年)
4. 統計セミナー
詳細は、臨床研究推進センター各種講習会のお申し込みページに掲載します。
関連リンク
・Department of Biostatistics Harvard TH Chan School of Public Health
研究へのご協力のお願い
臨床研究において、診療で得られたデータ等の情報や余った検体のみを用いる研究については、国が定めた倫理指針に基づいて、対象となる患者さんから直接同意を受けない場合がございます。この場合、あらかじめ研究内容の詳細をWebサイトにて公開することで、患者さんが拒否できる機会を設けており、このような方法を「オプトアウト」といいます。慶應義塾大学病院臨床研究推進センター・医学部衛生学公衆衛生学にて実施しているオプトアウトを用いた研究については、以下をご覧ください。
承認番号 | 研究課題名 |
20210085 | ガンマナイフ治療を行った腎癌からの転移性脳腫瘍例のデータベースを基にした臨床統計学的検討:後方視的多施設協同研究 |
研究のためにご自身のデータや検体が使用されることを望まない方は、下記までお知らせください。
慶應義塾大学医学部 衛生学公衆衛生学
慶應義塾大学病院 臨床研究推進センター
佐藤 泰憲
〒160-8582 東京都新宿区信濃町35
TEL:03-6709-9138