臨床研究実施部門
質が高く信頼性が担保された臨床研究を、被験者の安全性に十分に配慮した環境で実施できるよう、各ユニットを設置しAROならではの万全の体制を備えています。
臨床試験ユニット
役割
臨床試験ユニットでは、ISO15189 を取得した専用の検査室やサテライトファーマシーを備えています。安全性や薬物動態を調べることを目的とした健常者を対象としたFIH (First in Human) 試験をはじめ、患者さんを対象とした First in Patient 試験やPOC(Proof of Concept)試験など早期臨床試験の実施に対応し、アカデミアにおける新薬開発の支援体制を整えています。
- 診療部門及び臨床検査科との連携の下、品質管理のなされた環境で検体検査や生理機能検査等の各種検査が一般診療と混在することなく病棟内で実施可能です。
- 急変時に迅速な対応が行えるようユニット内での急変時対応訓練を実施しています。また、1年に1回ICU専従麻酔科との合同訓練を実施し、ICUとの連携体制を確立しています。
- 2016年より院内CRC研修を開始し、修了した看護師が院内CRCとして活動を行っています。
設備/導入機器
施設の番号をクリックすると、画像をご覧いただけます。
■外来入口、病棟入口、検査室、検体保管庫、サテライトファーマシー、事務室、器材・資材室は、電子錠により入室管理を行っています。
■病室は3床室を2室、個室を2室備えており、男女の同時入院が可能です。また、3床室2室と個室1室は間仕切りを外すことで、7床室としての使用も可能です。
■個室1室と処置室2室は陰圧管理に対応しており、感染対策の必要な入院や検査・処置が可能です。
- 設置機器・システム等
- 電子カルテ
- 生体監視モニター
- ベッドサイドモニター
- 除細動器
- 12誘導心電図
- 冷却遠心機 冷蔵庫 冷凍庫
- 自動血圧計
- 温度管理システム
- 自動身長体重測定器
- 安全キャビネット 薬品棚 等
- 輸液ポンプ シリンジポンプ
ICU合同急変時対応訓練
CRCユニット
役割
CRC(Clinical Research Coordinator、臨床研究コーディネーター)は、臨床研究を実施する医師や研究者の支援、ご協力いただく被験者の支援、院内関係部署や製薬・医療機器会社との連携など、臨床研究の実施に必要な調整役として活動しています。
多くの治験や臨床試験に携わることによって、医師や院内スタッフとの連携をさらに密にし、円滑な試験の運営を目指しています。
試験薬管理ユニット
役割
薬剤部治験薬管理室では、常温(15~25℃)、冷蔵(2~8℃)、冷凍(-25~-15℃)の温度管理と、麻薬、毒薬への対応も可能な設備で、試験に応じた適切な管理をいたします。
また、試験薬は、調剤・調製も含め、試験毎のニーズに対応して、与薬準備されます。
提供可能なサービス
臨床試験病棟サテライトでは、薬剤師のみに入室を制限して記録を取っており、盲検調製の担保を取ることが可能です。従って、無菌調製が必要な注射剤の二重盲検試験を計画した場合でも、別途外観を揃えたプラセボを作成する必要がありません。
サテライト内では、常温と冷蔵の二種類の温度帯での安定した温度管理を提供いたします。
導入機器/設備
薬用冷蔵庫、安全キャビネット、電子天秤、温度管理システム
試験医療機器管理ユニット
役割
試験に使用する医療機器の保守管理をおこなっております。
新規医療機器を用いた治療をおこなう場合には、その機器の保守管理のみではなく、最大のベネフィットと最小のリスクとなるように積極的に治療に参加しております。
提供可能なサービス
医療機器全般の知識と生命維持管理装置の専門技術を用い試験医療機器を統一的管理することで安全・安心な試験を提供致します。
導入機器/設備
超音波診断装置
非侵襲的人工呼吸器(NPPV)
血液浄化装置
シリンジ・輸液ポンプ
自己調節鎮痛(PCA)ポンプ
大動脈内バルーンパンピング(IABP)駆動装置
経皮的心肺補助(PCPS)装置
臨床検査ユニット
役割
臨床検査科との連携により検体検査、生体検査等を迅速に実施することが可能です。
臨床検査室の国際基準であるISO15189の要求事項に基づいた品質マネジメントシステムを構築し運用しております。
提供可能なサービス
最先端のテクノロジーを駆使するとともに専門知識と技術による臨床検査情報を提供いたします。
温度管理システムにより徹底管理された冷蔵庫冷凍庫での検体保管管理をご提供いたします。
導入機器/設備
冷却遠心機
冷凍庫(-20℃/-80℃)
冷蔵庫(2-8℃)
フリーザーデーター管理システム
放射性医薬品製造ユニット
役割
[18F]FDGや[18F]フルオロベタベンなどの院内製造される放射性医薬品のGMP製造管理および品質保証に係る業務を行う。
提供可能なサービス
臨床研究で使用されるPET薬剤の製造を行う。ただし、新規薬剤の製造にあたっては6か月程度の時間とコストが必要となる。また、小規模ではあるがGMP管理された院内製造施設を有することから、GMP管理が要求される薬剤の製剤化を行う準備がある。(要相談)
導入機器/設備
清浄度が管理されたエリア(清浄度を維持管理するための設備)、小型サイクロトロン:2基、合成用ホットセル:7台、分注用ホットセル(アイソレーター):3台、FDG合成装置:2台、フルオロベタベン合成装置(多目的装置):1台、NaF合成装置:1台、11C薬剤製造用多目的合成装置:1台、HPLC:3台、GLC:1台、超純水製造装置:1台など