新しい薬が生まれるまで

新しい薬は、長い年月と多くの人々の手により、薬としての効果と安全性を厳しく見極められながら、実用化へ向けて育っていきます。その開発過程は、主に次のような段階に分けることができます。

  1. 研究室での実験を通じて、新薬となる可能性のある物質を発見します。
  2. 次に、動物に用いて、効果と安全性を確認します(非臨床試験)。
  3. そして、ヒトに用いた場合の効果と安全性を確認します(臨床試験、治験)。

非臨床試験までの段階で有効性が疑わしかったり、危険性が懸念される場合は、開発が中止されます。一方、この段階で優れた成績を示した新薬候補は、次に臨床試験(治験)によってヒトでの効果と安全性に関するデータを集め、その結果に基づいて厚生労働省が新薬としての審査を行います。つまり、どのような素晴 らしい新薬であっても、その効果と安全性が客観的かつ医学的に認められて、初めて薬として実際の診療に使うことができるのです。